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第206話 幸せとは

小児科医のつぶやき|第206話 幸せとは

 少しずつ暑くなってきて、またいつもの熊本の夏が始まろうとしています。最近は本当に春を感じる時間が短くなったように思います。またあの暑い夏がやってくるのかと思うとうんざりしますが、これはもう受け入れていくしかありません。エアコンをうまく利用するなどして、今年の夏を乗り越えましょう。    


 話は変わりますが、先日惜しまれながらお亡くなりになったウルグアイのホセ・ムヒカ元大統領が以前来日された時に「日本人は果たして幸せなのか」という問いを投げかけられました。ご存知の方も多いかと思いますが、ムヒカ元大統領は世界一貧乏な大統領として有名でした。もちろん自身の生活も大変質素で、大統領だからといって贅沢な暮らしをする必要はないという考えをお持ちの方でした。自分も含めて多くの方は、S N Sが発達しいろんなモノは溢れているものの、時間に追われる日々を過ごしていらっしゃるのではないでしょうか。果たして現代人の幸せとは何だろうと思うことがあります。そう問われた時に、「これが自分の幸せです」って答えられる方が一体どのくらいいらっしゃるでしょうか。


 自分は仕事柄病気の子どもさんを多く診察していますので、子どもたちの笑顔を見るとこちらも笑顔になり、何とも言えない幸せを感じます。小さい子どもさんにニコッとされたら気分が悪くなる方はそうそういないと思います。いろんな痛い検査をやられたり、ワクチンを何度も打たれたりと病院というところにあまりいい思い出はないと思いますが、それでも帰り際には何もなかったかのようにバイバイと手を振って帰ってくれたり、大きくなったら先生みたいなお医者さんになるんだと言われたりすると、この仕事に就いてよかったなとしみじみと感じます。仕事をしながら小さな幸せをもらえるというのは、小児科冥利に尽きます。  


 昨年還暦を迎えましたが、懲りずに今も週末はサッカーとバスケの応援に奔走しています。ご存知のようにヴォルターズは今シーズンも昇格ならずシーズンが終わってしまいました。またロアッソも見ていて面白い、いいサッカーをしてはいますがなかなか結果につながっていません。弱いのになんで応援するの?という疑問を投げかけられることも少なくありません。個人的には頑張っている人を応援するというのをモットーにしていますので、強いから応援するのではありません。弱いからこそ応援するというのが、本当のファンではないでしょうか。勝ってくれるに越したことはありませんが、地元にチームがなければ応援することさえ出来ませんし、喜怒哀楽を感じることもありまあせん。チームがあることそのものが幸せというのを、これからも忘れないようにしたいと思います。


 人それぞれに幸せの基準というのは違うものだと思います。例えばお金があれば幸せかといえば、意外とそうでもないこともあるようです。ただお金がなければ暮らしも窮屈になってきますので、幸せを感じることもなかなか難しくなってきますから、お金はあるに越したことはありません。ですが聞いたことがある方も多いと思いますが、宝くじに高額当選した方はかなりの割合でその後不幸な転機を辿っているということですから、お金があれば幸せになれるかどうかというのは難しいところです。現に金銭的には苦しくても幸せに暮らしている方はたくさんいらっしゃいます。普通に生活していると幸せとは何かなんて考えることもありませんが、健康で何もなく普通に暮らしていること自体が実は最も幸せなことなのかもしれませんね。  



【令和7年6月】
よしもと小児科 吉本寿美

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