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第129話 新年に寄せて

小児科医のつぶやき|第129話 新年に寄せて

 あけましておめでとうございます。本年もどうぞ宜しくお願い致します。いよいよ平成最後の年が明けました。どのような年号に変わるのか、非常に興味のあるところではあります。昭和から平成に変わる年は、自分は学生でひたすら野球をやっていた思い出しかありません。あれから30年が経過するとはびっくりです。そして陛下の即位の関係で今年の5月は10連休になりますが、小児科医はさすがに10連休を取ることは不可能です。今のところは、2日程度は診療を行う予定です。他とのバランスもありますので最終決定ではありませんが、出来るだけ迷惑のかからないようにと考えています。


 昨年を振り返ってみると、最近の外来診療では重症の感染症のお子さんが明らかに減少したように感じます。それはワクチン接種の影響が大きいと思いますが、今後もこの傾向はますます加速されるのではないでしょうか。ところが、やはり昨年もワクチン不足の問題が起きてしまいました。麻疹風疹にはじまり、B型肝炎、風疹、最後はインフルエンザと、様々なワクチンが不足する事態に陥ってしまいました。我々開業医はどうすることも出来ず、ひたすらお詫びをして接種する対象者を選択しながら、出来るだけ迷惑のかからないようにすることに奔走しました。現在もその影響があって、風疹単独ワクチンを接種することは難しい状況です。B型肝炎ワクチンはそろそろ不足状態が解消するのではないかと思われます。幸い、海外メーカーのワクチンが入手出来るようになったので、接種出来ないという状況は回避出来そうです。


 インフルエンザワクチンについては、年末は供給不足で接種出来なかった方もいらっしゃるようです。ただ、まだまだ間違った認識をされている方も多いようですので、そこは我々医療関係者が正しい知識をアドバイスしていかなければと思います。早い時期に接種したら効果がなくなるとか、2回接種をしたらかかりにくくなるとかいう、間違った考えが浸透しているようにも感じました。このような考えを訂正していくのが今後の課題のように思っています。新年からはインフルエンザも流行しますので、ワクチンを接種したからと、油断されないようにお願いします。


 いつもながら思うのは、今年こそ診療以外で頭を悩ますことはしたくないなということです。といいながら、ここ数年は毎年何らかのワクチン問題が出てきました。当院のリスク管理が出来ていなかったのも原因ではないかと思われましたので、取引業者を数社に分散して迷惑がかからないようにするようにしました。それでも風疹ワクチンが入手困難な状況は年明けても変わらないであろうと予測されます。成人に対する接種についての無償化が発表されたこともあり、十分な供給が出来るようになるのはいつのことでしょうか。早く、国が先導してやってもらわないと、いつまでもこの状況は変わりません。    


 いつもながら、いいお知らせをすることが出来ないのが心苦しいのですが、出来るだけ迷惑をかけないように当院としても最大限の努力をしていかなければと考えております。年号は変わりますが、我々小児科医のやるべきことは変わりません。ワクチンによる病気の予防、国の方針に沿った抗生剤適正使用という2本柱を中心に、今年も安心していただける診療を心がけたいと思っております。どうぞ、今年もよろしくお願い致します。



【2019年 1 月】
よしもと小児科 吉本寿美

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