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第189話 辰年の始まり

小児科医のつぶやき|第189話 辰年の始まり

 あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いします。今年は干支でいうと辰年に当たります。辰年は12支の中で最も縁起の良い干支だそうです。運気が上昇して、願いが叶いやすい年だと言われています。今年こそは良い年になって欲しいものです。また個人的には今年が年男にあたり、人生のリセットの年になるのかもしれません。今年こそ、絶対良い年にするんだと新年の始まりに決意を新たにするのは誰も同じではないでしょうか。    


 昨年を振り返ってみると、最大の出来事はコロナが5類感染症に移行して3年ぶりに日常が戻ってきたということではないでしょうか。やっとマスク生活ともおさらばとなったわけですが、途端に色々な感染症が活発に暴れ始めました。開業して20年が経過しましたが、このような経験はこれまでありませんでしたので、当初は戸惑ってしまいました。新型インフルエンザの際にも、最初はかなり驚異でしたが、結局さほど重症化することもなく、流行もしなかったように記憶しています。最初はワクチン接種で混乱を招きました(電話が繋がらない、病院前の道路には車の行列が続くなどがありました)が、年明けから誰もワクチン接種には興味がなくなって、ワクチン接種を希望される人は殆どいなくなり、最後はワクチンが余ってしまうという結果でした。ただ今回はそう簡単ではなく、いろいろな種類の感染症が一気に流行するという状況が起きてしまいました。それぞれの感染症が3年間のブランクを取り戻そうとでも思ったのでしょうか、インフルエンザ、アデノ、溶連菌が大流行して、検査キット、抗生剤が不足という事態に陥ってしまいました。この状況は現在もあまり変わりませんので、どうかもうしばらくはご理解、ご協力をお願い致します。


 それからワクチンについても今年はいくつか変更点があります。まず、コロナウイルスワクチンが有料での接種に変わります。小児の接種率はそう高くはなかったのですが、ますます接種率の低下するのではないかと思われます。それから4月より5種混合ワクチン(4種混合+ヒブ)が定期接種として接種が開始されます。海外ではすでに6種混合ワクチンの接種も始まっていますので、日本も早く追いついて欲しいものです。それから菊陽町に住民票があるお子様だけにはなりますが、新年度からおたふくかぜワクチンの費用の補助が始まります。まだまだ熊本県は他の県に比べて補助を出している自治体が少ないようですので、これが他の自治体にも広がっていけばいいなと思います。残念ながらおたふくかぜワクチンはもうしばらくは任意接種のままのようですので、費用はかかりますがぜひ2回接種を受けて欲しいと思います。  


 今年は久しぶりに制限のないお正月を迎えて、人の移動も活発となり年明けからはどのような感染症が襲ってくるのでしょうか。インフルエンザはいつもであればこれからが流行期に入るところではありますが、今年は既に流行のピークは過ぎてやや収束に向かいつつあるようにも感じます。ただA型に短期間に2回罹患するお子さんも増えてきましたので、まだまだ油断は出来ません。そして久しぶりにB型が流行してくるのかどうかも気になるところです。例年であればこれから胃腸炎も流行して、春先にはヒトメタが流行してくるというのが我々小児科の常識でしたが、最近は常識が通用しなくなってしまいました。    


 今年はもう少しのんびりとした外来風景が戻ってきたらいいのですが、どんな年明けになりますでしょうか。出来るだけ早く以前のような状況に戻ってくれたらと願わずにはいられません。まだまだ不自由をおかけするかと思いますが、どうぞ今年もよろしくお願い致します。  



【令和6年1月】
よしもと小児科 吉本寿美

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