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第168話 子どもの笑顔は宝です

小児科医のつぶやき|第168話 子どもの笑顔は宝です

 寒かった冬も終わり、少しずつですが暖かくなってきました。そしてまだまだ先は見えないとはいうものの、いつもの日常がちょっとずつですが戻ってくるのではないかと思っています。さすがにこの生活をこれからも耐えるのは限界があります。大人がそう思うのですから、子どもたちにとっては尚更ではないでしょうか。今後は一刻も早く副作用の少ないワクチンが開発され、治療薬が簡単に使えるようになることを期待しています。


 そして海外に目を向けると、ウクライナでは目を覆いたくなるような大変なことが起きています。まさかこの時代に戦争が起きるとは、誰が予想したでしょうか。我々素人には全く理解できないことばかりです。理由は色々あるとは思いますが、なんであれ戦争は絶対にやってはいけないことです。結局、罪のない子どもたちや社会弱者が被害を受けてしまうのが現実です。もし、ロシアの子どもたちが同じ目に遭ったら、プーチン大統領はどう思うのでしょうか。そう考えたら、とても戦争なんか出来ないと思うのですが。1日も早くウクライナに平穏な日々が戻ってくるのを願っています。    


 相手は違いますが、日本でも多くの人が今も見えない敵と戦っています。そのため現在でもマスク着用を強いられているのですが、おかげで今冬もインフルエンザの流行はありませんでした。当院においても検査は0という、昔からは想像もできないような状況が2年連続で続いています。その他の疾患についても、ここまで防げるかというくらい色々な病気が減少しています。人流の減少などもありますので、マスクだけのせいではないとは思いますが、マスク装着が病気の流行抑制に貢献しているのは間違い無い事実だと思います。  


 ただ、マスクをしているとどうしても表情が見られないという欠点もあります。人間には誰にも喜怒哀楽があります。それは表情から読み取ることが可能です。ですが、マスク越しに表情を読み取るのはなかなか難しいことではあります。特に子どもたちにとって、マスクはいい面もあるとは思いますが、表情が伝わらないということを考えれば、悪い面もあるように思います。子どもというのは、笑ったり泣いたりして成長していくものです。当然些細なことが理由で喧嘩もするでしょう。そこには必ず表情というものが存在するものです。ところが、マスクをしていると表情というのは存在しなくなってしまいます。大人もそうですが、なかなか目で意思を伝えるというのは難しいものです。  


 子どもたちの笑顔というのは、自然と大人を笑顔にしてくれます。強面の大人でさえ、赤ちゃんが微笑むと自然と表情が緩むものです。それくらい、子どもの笑顔には不思議な力があります。ただ、残念ながら子どもたちの笑顔が少しずつ消えていっているようにも感じます。いろいろなことをマスク越しに対応しなくてはいけない昨今ですので、大人の表情もなかなか伝えにくくなっています。もちろん、ウクライナで子どもたちからは笑顔が消えてしまったのは、仕方のないことではあります。世界中の子どもたちの笑顔は周囲を幸せにする、不思議な力があります。それは何ものにも変え難いものなのです。1日も早く世界中の子どもたちにマスクの要らない世界、そして満面の笑顔が戻るようにと願うばかりです。未来を担う子どもたちを、大人の私利私欲の犠牲にしてはいけないのです。    



【令和4年4月】
よしもと小児科 吉本寿美

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