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第188話 今年を振り返って

小児科医のつぶやき|第188話 今年を振り返って

 暑かった夏もいきなり寒くなって、いよいよ今年も残り1ヶ月を残すのみとなりました。最近の小児科外来は例年以上にバタバタしていますので、いつもより早く感じてしまいます。これから本格的な冬のシーズンに向かっていきますが、この冬はどうなるのか気掛かりではあります。そんな中、今年も恒例の振り返りをやってみたいと思います。    


 今年1番の話題といえば、やはりコロナウイルス感染症が5類に移行したことではないでしょうか。かなり昔のように感じますが、まだ移行して1年も経っていません。幸い、最近のコロナウイルス感染症は重症化することはあまりなく、小児に至っては高熱も続かないケースが殆どですので、恐怖感というのは薄れてしまっている感じがします。ただウイルスというのは変異しますので、また違った株が流行すれば事態が一変する可能性もゼロではありません。引き続き感染対策を行なっていただきたいと思います。ワクチン接種も重要ですが、来年度からは無料接種が終わり自己負担発生は避けられないようですので、接種率の低下は免れないかも知れません。ただ、国内産の不活化ワクチンが接種可能となる予定ですので、こちらについては接種をする方は増えるかも知れません。


 それから今年の小児科は何といってもいろいろな感染症が驚くほど増えたということです。コロナが5類になったことで、以前のような日常が戻ってきました。3年間子どもたちは感染症にさらされていませんでしたので、その反動が一気に来たように思います。またウイルス特有の季節感も無くなってしまいました。R Sウイルス感染症もヒトメタニューモウイルス感染症も通常とは違う時期に流行して、今後どうなっていくのかが気になるところです。インフルエンザにしても11月は驚くほど流行しました。ワクチン接種をまだ行なっていないお子さんも多く、病気が流行しなかった反動は恐ろしいもと感じています。例年だと年明けから流行するインフルエンザが、出来れば年内で流行が収束してくれたら非常にありがたいのですが、どうなりますでしょうか。  


 あと今年は当院では海外の方が受診されるケースがかなり増えました。T S M Cの進出による影響だろうとは思いますが、この流れはしばらく続くものと予想しています。ほとんどのケースは妻が担当してくれて助かっていますが、隣から英語が聞こえる状況が少しずつ日常化してきました。熊本でもこのような状況ですので、都会ではもっと海外の方が増えてくるのではないでしょうか。外来の風景も昔とは様変わりしました。    


 そんなな中でも、診療と並行してワクチン接種はこれまで通り行なってきましたが、今年から全てのワクチン予約をネット予約に変更しました。思ったほどのトラブルはなく、最近のお母さん方はネット社会にはかなり精通されているのだというのを実感しました。おかげで電話がかかってくる件数は格段に減少しました。予約もキャンセルも診療時間外でも出来ますので、この点でも良かったのではないかと思っています。また子宮頸がんワクチンを接種されるお子さんも格段に増えたように思います。ただまだ接種をされた方は対象者の半数にも満たないと思いますので、いかにして告知をするか、そしていかに不安を取り除くかが今後の課題になろうかと思います。


 個人的には来年還暦を迎えます。開業医としてあとどのくらい働くことができるか考えることも多くなりましたが、まだまだやれるうちは子どもたちのために頑張らねばと思います。引き続き来年もよろしくお願い致します。少し早いですが、皆様どうぞ良いお年をお迎えください。      



【令和5年12月】
よしもと小児科 吉本寿美

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