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第93話 新年にあたり

小児科医のつぶやき|第93話 新年にあたり

あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

 さて、昨年を振り返ってみますと、やはりまたかと思ってしまうワクチンの問題が出てきました。まさかとは思いましたが、問題となったのが地元の化血研となれば更に事態は深刻です。当院では4種混合、日本脳炎、インフルエンザ、B型肝炎ワクチンは基本的に化血研の製品を使用していますので、一時的に欠品になったものもありましたし、「大丈夫ですか」という問い合わせをいただいたこともありました。同じ会社ではあるのですが、実は問題となった血液製剤部門のようにワクチン部門は不正を行っていた訳ではないようですので、安心して接種を受けていただきたいと思います。今後もメーカーを変える予定はありませんが、化血研のトップの対応は非難に値するというのは間違いないと思います。最前線で頑張っている営業の方は、辛いでしょうが頑張っていただきたいと思います。年明けにも会社としての処分が発表されるのは確実なようです。そうなれば、代替品のないワクチンについては一時的に接種見合わせとなる可能性もありますので、今年も新年早々から心配のタネはつきません。


 それから、昨年は異常気象に悩まされたようにも思います。特に大型台風の影響は当院にも及び、停電になり診療がストップしてしまった日もありました。また、強風の影響でカーポートの屋根が飛んでしまい近隣の皆様にはご迷惑をおかけしました。その後はなかなか寒くもならず、手足口病やヘルパンギーナがいつまでも流行していました。例年だと9月頃から流行するRSウイルス感染症も、年末には流行しはじめたものの、いつもとは違う様相をみせました。昔と違って子どもの病気も季節感がなくなってきた感じもします。  いつもだと年が明ければ、例年通りインフルエンザが流行し始めるのですが、果たして今年の流行状況はどうでしょうか。今年はワクチンが4価になりましたので、罹患するお子さんが少なくなっていたらいいのですが、こればかりはなんとも予測がつきません。ただ、ワクチン問題や値段の上昇で接種する方が減ってしまっていれば、例年以上に流行する可能性もあります。毎年微妙に流行状況が変わってきますので、これからしばらくは注意深く観察する必要があるようですね。


 そして小児科にとって今年の最大のトピックスといえば、やはりB型肝炎ワクチンの定期化ではないでしょうか。専門の先から伺ったお話では、予算の関係で4月から定期になるのは難しいのではないかということでした。定期化を待たれているお子さんもいらっしゃいますが、こればかりは行政の指示に従うしかありません。本来は2ヶ月から接種を開始したほうがいいワクチンでありますので、時期がきたら早々に接種をした方がいいのですが、定期になることが確実視されていますので、待たれている方も多いようです。希望としては3歳未満を定期の対象者にしてもらえればありがたいのですが、今のところは1歳未満だけが定期の対象と予想されております。定期の対象外の方も、B型肝炎ワクチンは重要なワクチンですので、早めに接種されることをお勧めします。


 昨年は職員をはじめ病気をする人はほとんどいませんでした。また、大きな事故もなく無事に新年を迎えることができました。当院はどうしても予約制ではありませんので、繁忙期にはお待たせすることもあるかとは思いますが、出来る範囲で頑張っていこうと思います。どうぞ今年もよろしくお願い致します。



【2016年 1 月】
よしもと小児科 吉本寿美

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