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第42話 時代の流れ

小児科医のつぶやき|第42話 時代の流れ

当院も、時代の流れに乗って今年6月より電子カルテを導入しました。開院当初から紙カルテに慣れていたため、いきなりの電子カルテ移行には少なからずの抵抗がありました。しかし、カルテ保管スペースの問題が生じてきたことと、知り合いに電子カルテの営業をされている方がいらっしゃったことで、話はすんなりと進みました。いざ始めてみると、これが以外と使い勝手がいいことがわかりました。まず、カルテの出し入れが不要で探したり収納したりする必要がなくなりました。会計までの待ち時間も少しは短縮したように思います。但し、おもちゃで遊んで帰りたいという子供たちには不評のようですが。これまで目立ったトラブルもなく順調で、導入してよかったのではないかなと思っています。


それと、当院では昨年からインフルエンザワクチンの予約システムを導入しました。導入のきっかけは、新型インフルエンザ予約の際に起きた電話の殺到によるものでした。1日中電話が鳴りっぱなしで、職員全員がノイローゼになるのではないかというものすごいものでした。あげくの果ては、つながらないと文句を言われる始末で、これではたまったものじゃないということで色々検討した結果、遂にパソコンや携帯からでも予約できるシステムを採用しました。スムーズにいくのかなとやや不安もありましたが、そこは今の若いお母様方はさすが携帯の扱いには慣れていらっしゃいます。ささっと予約をされ、どうでしたかと尋ねても「簡単でした」とおおむね好評のようです。お陰で、冬場の予約電話が激減しましたので、精神的にはかなり楽になりました。


ここまで来たら、あとは時代の流れで一般診察も予約制にするかということになるのですが、今のところその予定はありません。そういうご希望もあるようですが、予約が取れずに翌日しか診察をしてもらえないという事もあるようです。時間通りに診察出来ずに、「これでは意味がない!」とお叱りを受ける事もあると聞きます。どちらがいいのかわかりませんが、なかなか全ての人の要求を満足させるのは難しいですね。一般診察については、今しばらくは時代の流れに反してこのままでいこうと思っております。


医療現場でも、このように電子システムに頼る場面が多くなりました。少し前まではとても予想出来ませんでした。人間関係が希薄になってきたと感じてしまうのは、年を取ったせいなのかもしれません。とはいいながら、このような電子システムに一旦慣れてしまうと、もはや後戻り出来なくなってしまうのも事実です。紙カルテ診療には後戻りできそうにないし、電話でインフルエンザワクチンの予約を受けるパワーもありません。今後、もっと便利なシステムが出てくれば採用するかもしれませんが、果たしてどこまで時代の流れについていけるでしょうか。但し、便利なシステムを利用しても、心と心の通じ合う医療を続けていくことはこれからも忘れてはならないと、キーボードを叩きながらふと考えてしまうこの頃です。


【2011年10月】
よしもと小児科 吉本寿美

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