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第185話 上手くいかないときもある

小児科医のつぶやき|第185話 上手くいかないときもある

 8月もお盆まではこれまでにないような外来の風景でした。暑さも尋常ではなかったのですが、開業以来ここまで感染症のオンパレードというのは経験したことがありませんでした。入院も厳しいような状況で、これから寒くなっていく時にどうなっていくのか、かなり気がかりではあります。とはいえ、病気は待ってはくれません。お盆過ぎたら嘘のように以前の小児科の風景が戻ってきましたが、コロナも再び増加傾向にあり今後も気を引き締めて診療に当たらなければと思っています。幸い、今のところ小児のコロナ感染症はほとんど軽症者なのが救いではあります。    


 これまで当院でも試行錯誤で発熱外来を続けてきました。だたし最近は社会も少しずつ以前の状況に戻っていることを踏まえて、診療体制を少しずつ変えていきました。他の先生方にも相談したりもしましたが、結局のとろこれが正解というのはないようです。しばらくは待ち時間も長くなってしまい、なかなか上手くいかないこともありましたが、そこは皆さんのご協力で何とか乗り越えることが出来ました。現在はやっと一息ついたところです。


 上手くいかないことは、何も仕事に限ったことではありません。人生において頑張っているのに結果が伴わないことっていうのは、たくさんありますよね。今は、根性とか、歯を食いしばってという時代ではないのかもしれませんが、自分は古い人間ですのでやっぱり人生の根底には根性というのがあるように思います。「全ての努力が報われることはないが、無駄な努力はない」という言葉がとても気に入っています。例えば、受験の時にはみんな努力をします。程度の差はあれ、努力しない人はいないと思います。ただ受験とは残酷なもので、他人との競争になりますから余計に点数を取った人だけが合格という2文字を掴み取ります。  


 但し人生の面白いところはそこからでして、合格して上手くいった人がその後の人生も上手くいくかといえばそうでもありません。かえって失敗して人生がいい方向に向かった人はたくさんいらっしゃいます。例えば高校野球の選手ですが、目指すところはやはり甲子園、そして出来ればプロ野球選手というのが目標としてあるのではないでしょうか。ところが甲子園で活躍した選手というのは、プロにいったら大成しないとも言われています。特に投手の場合はそうなのかもしれません。なので、スカウトの方々は注目選手が早く予選で負けてくれないかなと思っているらしいです。甲子園で肩を酷使するのが今後の野球人生にはマイナス要因だそうで、勝ち進むのを望んではいないようです。大谷選手みたいに甲子園に行けなくても活躍している選手はたくさんいますので、上手くいかなかったとしてもあまり悲観する必要はないのかもしれません。    


 それからきちんと予防をしていたのに病気に罹ってしまうのも、似たようなものかもしれません。事故を防ぐことは可能ですが、病気を防ぐことはなかなか難しいものがあります。コロナに罹った人にどこでもらっちゃいましたか?と聞いても、最近はわからないと返答される方が増えてきました。予防していたのに上手くいかないなと思ってしまいますが、そういう時は「神様が休めって言っているのだな」と思えばいいのです。もしここで病気にならなければ、もっと大きな病気になった可能性だってあると考えればいいんです。要は上手くいかないなときにどう考えるかだと思います。ポジティブに考えるか、ネガティブに考えるか。どうせ結果が一緒ならば落ち込むより明るく前向きに考えた方がいいのではないかと思います。    


 上手くいかないことは誰もが経験することですが、それはもしかしたらいいことが起こる前兆なのかもしれません。自分もそうでしたが人生は悪いことばかりじゃないと思いますので、上手くいかないことがあっても気持ちを切り替えることも大事ではないかと思います。      



【令和5年9月】
よしもと小児科 吉本寿美

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