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第1話 ワクチンは重要だ~

小児科医のつぶやきイラスト

いやいや、今年の麻疹騒ぎにはびっくりしました。それも菊陽町がこんなに注目されるとは。おかげで、いろいろな先生から「どうね、大丈夫?」とねぎらいのお言葉を数多くいただきました。幸い、当院には3名しか麻疹の患者さんは受診されませんでしたが、その後もかなり神経をすり減らしたのは言うまでもありません。


感染力を示す数値ですが、インフルエンザを1とすれば麻疹は17程度あるようです。いかに感染力が強いかがおわかりになるかと思います。では、どうしてこのように多くの患者さんが出てしまったとかというと、理由は簡単です。ワクチン接種をしていない中学生が多かったという単純な理由なのです。その後、あわてて予防接種に来られた方も多かったのですが、母子手帳が真っ白の方が多いのにはびっくりしました。また、抗体が無くなっているお子さんもいらっしゃったようで、予防接種をしたのに罹ってしまった中学生も結構いたようです。このような反省から、今年から5年限定で中1と高3の麻疹風疹ワクチンの無料接種が行われますので、対象者の方は必ず接種して下さい。


残念ながら、現在の日本のワクチン行政はお粗末の一言に尽きます。ワクチンによる副作用がある事は否定しませんが、それでワクチンを中止したらどうなるでしょうか?恐らく患者発生が出てくるものと思われます。例えば日本脳炎ワクチンは数年前突然接種中止になり、その後厚生労働省はこっそりHPを書き換え、「九州の人は出来るだけしましょう」とのこと。責任逃れとしか思えません。なのにワクチンの流通は現在もほとんどなく、困っているのは子供達です。Hibワクチンもやっとこの夏から認可されますが、それも任意接種で有料なのです。多くの国で定期接種になっているのに、なぜ?という思いがあります。MMRワクチンにしたって、治験したのに結局認可されないままです。これがあればおたふく風邪ワクチンは無料で接種できるのに。


いろいろな考えがあっていいとは思いますが、病気は罹らないに超した事はないです。「おたふく風邪や水痘は罹るまで待ちます」とよく言われますが、それはどうかなと思います。罹った場合の副作用を考えれば、絶対罹っていいような病気ではないのです。自治体では任意の予防接種に対して補助金を出してくれる自治体も増えてきました。菊陽町でもそろそろそのような声が上がってもおかしくはないように思いますが。


現在、Hibワクチンの定期接種化を求める運動を日本の小児科医が頑張っています。行政は言わなければ、何もしてくれません。戦う小児科医を目指してこれからも頑張っていきたいと思います。みなさんの応援をお願いします。

【2008年4月13日】

 

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