菊陽町のよしもと小児科です

お問い合わせ・ご相談はお気軽にどうぞ
Tel.096-233-2520
トップページ >  第2話 薬を出す=いい診療?

第2話 薬を出す=いい診療?

小児科医のつぶやきイラスト

今回はちょっと難しい問題を考えてみたいと思います。病院には病気で受診される場合が多いのですが、その場合お薬をもらって帰るというのが一般的です。受診したのに薬も出されないのはどうなんでしょうか。でも僕の場合は、「お薬どうします?いりますか?」と尋ねる場合が結構多いように思います。薬はいらないんじゃないかな~と思って処方しない場合も少なくありません。そのため、「あそこは行っても薬もくれない」ということで他の医療機関を受診される方も多いかもしれません。


そこで、ちょっと考えてみましょう!絶対にこの症状には薬が必要でしょうか?4月から保育園や幼稚園に登園はじめたお子さんは、とたんに病気?になります。「病気?」と?を付けたのには意味があります。一番多いのは「鼻水が止まりません」という相談です。元気なのですが、鼻水がいっぱい出ていますので薬をもらうために受診されます。しばらく内服するけど、なかなか良くなりません。その後は必ず「全く良くなりませんが」ということで受診されることが多いようです。どうやっても鼻水をぱっと魔法みたいに止める事は無理のように思います。鼻水が出ていることを病気?と考えるかどうかなんですよね。昔からいわゆる「はな垂れ小僧」という、鼻水たらして制服の袖がピカピカになっている子供は僕も含めていっぱいいました。でも、そのためだけに薬を飲んだ記憶は僕自身はありません。


薬をしばらく飲んでみて効果なければ、飲まずに経過観察をするという選択肢は間違いでしょうか?「中耳炎になるから」というのを心配される場合もありますが、中耳炎も最近ではすぐに抗生剤という時代ではなくなってきました。僕も含めて小児科医も最近は耳を診察するようになってきました。中耳炎は軽症であればまず抗生剤は不要です。他の医療機関の処方箋を見る場合もありますが、これだけ飲むのは大変でしょうというくらい多くの薬を飲んでいらっしゃる場合もあります。ステロイド、抗生剤、気管支拡張剤など、何の薬を飲んでいるか認識した上で飲ませていますか?


絶対に飲まなくてはいけない薬があるのも事実ですが、診察の結果軽症であれば薬は飲まずに様子をみるというのもいいのではないでしょうか?特に当院は不要な抗生剤を出さないように頑張っていますので、最近は抗生剤下さいという方が少なくなったのは嬉しいことです。どのような薬をどの程度内服するかはかかりつけの医師と十分相談して決める必要がありそうですね。


ということで、次回は抗生剤の適正使用について述べてみたいと思います。


* 悲しいけど、いっぱい薬を出すクリニックが人気あるんですよね~。だからうち 
 は人気がないのかな(涙)。まさしくつぶやきです。

【2008年5月】

← 第3話 抗生剤について第1話 ワクチンは重要だ~ →

ページトップへ戻る
Copyright (C) 2012 yoshimoto Pediatrist Clinic, All Right Reserved.