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第147話 早起きの勧め

小児科医のつぶやき|第147話 早起きの勧め

 昔から「早起きは三文の徳」と言います。得ではないかと思われている方もいらっしゃるとは思いますが、調べましたら実はこれはどちらも正しいとのことです。最近は寒くはありませんので、朝起きもさほど苦痛ではなくなりました。自分は中高の6年間は寮生活をやっていましたので、朝は強制的に起こされていました。日曜日でも遅くまで寝ることが出来ず、否応なく規則正しい生活を送っていました。        


 現在は情報化社会ですので、朝早くから一通り色々なSNSの情報に目を通して自分の1日が始まります。そして以前よりも早く自宅を出るようになりました。そうすると、余り渋滞に巻き込まれることもなく、イライラ度は少なくなりました。みなさんも経験済みだと思いますが、朝の渋滞は精神衛生上あまりいいものではないですよね。8時前には病院に着いて、いろいろと準備を始めると意外と時間がなくなります。一通り掃除もしますので、夏場は汗びっしょりになります。たまには電話がかかってくることもありますので、あっという間に時間が過ぎてしまいます。        


 まあ、自分のことはこの程度でいいのですが、なぜタイトルのように早起きを勧めるかというと夏場になると必ずと言っていいほど便秘のお子さんが増えてくるからです。暑くなって汗をかくことも多くなり、登園しているお子さんは水分摂取が十分ではいというのも1つの原因かもしれません。その結果便が硬くなってしまい、便を溜めてしまうと出す時に痛みが増して我慢してしまう。そして、痛みがあるから出そうとしないという悪循環に陥ってしまいます。そうなると浣腸して出さなくてはならず、排便時に出血を来すこともよく経験します。続く場合は、緩下剤を内服して硬いウンチが出ないようにする方法もあります。最近では、2歳以上だとモビコールというお薬が飲めるようになったので、以前よりはコントロールが出来るようになった印象があります。  


 ただ、便秘のお子さんの朝の様子を聞いてみると、結構バタバタしていることが多いようです。洗面はしないといけないし、ご飯も食べないといけない、トイレも済ませないといけない。となると、トイレはゆっくりする時間がないので、出ないまま登園、登校してしまうという流れになってしまう。最近は共働きのご家庭が増えたので、朝の時間が戦争のようにバタバタしているのはよくわかります。我が家もそうでしたので、トイレも取り合いになってしまうこともあります。なのでそうならないように、30分だけでも早く起きるようにすればトイレをする時間も余裕が持てるようになるのではないかと思います。そうすれば、排便も余裕を持って出来ますので、便秘を回避することも出来るのではないかと思います。  


 早起きっていっても、そう簡単ではないと思います。この忙しい時代ではたった30分でも寝ておきたいと思われる方も少なくないと思います。でも、30分あれば意外といろんなことが出来るのですよね。ですので、特に便秘がちのお子さんがいらっしゃるご家庭では、是非とも早起きを試してみられることをお勧めします。そうすれば、いろんなプラスの面が出てくるのではないかと思いますので。便を出そうとして頑張っている姿は何となく微笑ましくもありますが、便秘のお子さんはどうか早起きをして便秘を克服して欲しいと思います。  



【令和2年 7月】
よしもと小児科 吉本寿美

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