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第70話 小児科医だってここまではやれる

小児科医のつぶやき| 第69話 2014年はどうなるのか

小児科外来には、いろいろな症状や相談でお子さんが受診されます。多くは熱が出ましたとか、吐きましたとかでしょうか。受診後はお子さんの病気はこれでしょうと診断をつけて、必要があれば処方を行うというのが一般的です。時にはこれも小児科?というお子さんが受診されますので、いくつか具体例を挙げてみます。


<手を動かさない>
急に泣き出して手を動かさない、手を触ると泣くということで受診されるケースにたびたび遭遇します。聞けば、お子さんの手を引っ張ったというのがほとんどです。これはいわゆる「肘内障」という病気で、輪状靱帯から橈骨頭が逸脱した状態です。治療は整復という簡単な処置で(ちょっとしたコツが必要ですが)一瞬にして終わりますので、これだけは本当に小児科医でも感謝されます。

<耳が痛い>
急に耳が痛くなったというお子さんも多く受診されます。耳鼻科を受診される場合も多いようですが、まずは小児科受診でもいいでしょう。鼓膜を観察すると、中耳炎になっているケースもありますが、現在では中耳炎は予後のいい疾患で、全てに抗生剤は使わないというのが世界の常識です(ですが、日本ではまだそこまでの対応は出来ていないようです)。手に負えない場合は耳鼻科の先生に紹介することになりますが、小児科でも出来る範囲で対応します。以前、耳に異物を詰めていたというのもありましたが、さすがにこれは紹介しました。

<目が真っ赤>
眼脂が多く、目が真っ赤というお子さんも比較的多く受診されます。一番多いのは、風邪をひいて結膜炎になるというお子さんです。問題になるのは「はやり目」かどうかで、目を少し擦って検査すると熱はないけどアデノウイルス陽性というケースもあります。この場合は熱がなくても出席停止になります。

<体がかゆい>
冬場は乾燥肌で痒くなる事も多いようです。痒みのある発疹性疾患もよく受診されます。水痘は分かりやすいですが、溶連菌は熱がなく痒みだけというケースもあります。稀ですが肛門の溶連菌もあるので(今まで当院でも数例経験しました)、本当にやっかいな病気です。アトピー性皮膚炎もなかなか診断治療が難しい病気ですが、過大評価されているケースもありますのでいろいろな先生の意見を聞くのもいいでしょう。

<おしっこが近い>
本人がけろっとして、痛みもない場合などは心理的要因が影響している場合が多いようです。ですが、尿路感染症、腎臓の病気、膀胱炎などもありますから、簡単に心の問題と片付けられない場合もあります。稀ですが、糖尿病だったというケースも経験しました。

<やけどした>
冬場は特に多くなります。子どもはいろんなものに興味があり、つい触ってしまいます。我が家の長女も、炊飯器から出る蒸気を触ってやけどしたことがあります。軽い場合は小児科で対処出来ますが、さすがにひどい場合は皮膚科の先生にお願いすることになります。

<怪我した>
かなりの傷で縫合が必要なケースも以外と小児科を受診されます。当院では止血だけおこない、すぐに紹介します。形成外科に紹介する場合が多いのですが、ベロを切ったといって受診されるケースもありますので、この場合は口腔外科の先生に紹介することになります。


このように小児科には様々な病気のお子さんが受診されます。対応出来ないケースもありますので、その場合はしかるべき専門医療機関に紹介することになります。幸い、他科の先生との連携も何とかうまくいっていますので、困る事なく紹介出来ています。ほんと、気軽に受けてくださる先生方には感謝です。出来る事はやりますが、「出来ない」や「わからない」をはっきり言う勇気を持つのも大事だと考えています。無理すればかえってお子さんに迷惑をかけることにもなりかねませんので。


子どもさんの事で、どこに行けばいいかわからないという相談もよくあります。どんな些細なことでも構いませんので、困ったことがあればまずは小児科医に相談してみましょう。きっと何とかしてくれるはずですよ。



【2014年2月】
よしもと小児科 吉本寿美

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