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第145話 小児科外来の近況について

小児科医のつぶやき|第145話 小児科外来の近況について

 どこもかしこも、コロナコロナでちょっと滅入ってしまいますね。学校も再び休校になり、スポーツ活動や集団行動が一切出来なくなってしまっています。体育祭が中止になった学校もあるようで、3年生にとっては非常に辛い年になってしまったようです。ただ命あってのことですから、このような対応については仕方ないのかなとも思います。人生においては、このように自分の力ではどうすることも出来ないことが多々有るということを知るのも大切かもしれません。     


 このような状況下ですが、小児科の診療は休むことなく行われています。当院のみならず、救急外来の診療も同じように行われていますが、以前と違うのはほとんど受診するお子さんがいなくなったということです。喜ばしいことなのですが、少し不気味な感じもします。理由としては、集団生活を送ることが少なくなったので感染症が減少したのと、今回きちんと手洗いうがい、そしてマスク着用をされているからではないでしょうか。では、今までは何だったのだという疑問が湧いてこないでもないですが、予防すればきちんと出来るというのを証明してくれたようにも思います。    


 一方、小児科はワクチン接種という重要な役割を担っていますので、こちらについては今までと変わりなく行われていますし、延期することは避けて欲しいと思います。但し、困ったことにBCGワクチンが供給不足となってしまいました。ネットでBCGが新型コロナウイルス感染症に有効であるとの情報が流れたため、接種対象外の方が接種を求めて需要と供給のバランスが完全に狂ってしまったためです。このことについては、今の所あくまでも仮説であって証明されている訳ではありません。対象となる子ども達が接種出来ない状況になってきましたので、どうか対象外の方の接種はお控えくださるようにお願いします。他にも納豆がいいということで一時的に品薄になったり、トイレットペーパーが市場から無くなったりと、SNSの影響は想像を絶するものです。  


 全国に発出された緊急事態宣言の影響で、普段の生活は一変しました。普通に出歩く機会も少なくなったように思いますし、学校から子ども達の姿が消えてしまいました。閉まっているお店も徐々に増えてきて、寂しい限りです。外来の様子も様変わりし、驚くほど受診するお子さんが減少しています。これは全国的な流れのようで、中にはガウンを着て診療されているクリニックもあると聞いています。当院では全職員がマスク着用で対応し、頻繁にアルコール消毒を行い、換気を頻繁に行っています。これで十分というものはないように思いますが、今のところ当院ではこれ以上の対応は難しいように思います。    


 もしかしたら、今回の出来事によって受診のやり方も変わってくるのかもしれません。受診しなくても治っていくのだというのがわかれば、おのずと受診されるお子さんは減ってくるでしょう。今まで気軽に受診されていたお子さんも、これくらいであればいうことで我慢されるかもしれません。でも、コロナウイルス感染症以外の感染症もたくさんありますし、何しろワクチン接種という大事な任務を担っているのが小児科ですので、受診される方が少なくなってもやることはたくさんあります。もうしばらくはこの状況が続くことが予想されていますし、下手すれば来年まで引きずることになるかもしれません。今の所ワクチンも治療薬もない中で診療を行うのは非常に恐ろしいことではありますが、一般の方も誤った情報に振舞わされることのないようにしていただきたいと思います。正しく恐れましょうということに尽きるのではないでしょうか。      



【令和2年 5月】
よしもと小児科 吉本寿美

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