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第139話 万一に備えて

小児科医のつぶやき|第139話 万一に備えて

 今回の台風19号は関東や東北地方に甚大な被害をもたらしました。幸いながら九州での被害はほとんどなかったようですが、想像を絶するような被害と流れてくる映像に心を痛めています。その後も大雨の影響で、被災地はこれからが大変だとは思いますが、どうか力を合わせてこの難局を乗り越えていって欲しいと思います。なかなか簡単に頑張ってとは言えない状況ですが、微力ながら応援したいと思います。  


 この台風については、事前に被害が出るので最大級の注意を払うようにという報道がなされていました。ただし、ここまで被害が及ぶとは誰も想像していなかったのではないでしょうか。風が強いだろうというのは事前に予想できましたが、河川の氾濫は予想外だったと思います。横浜の高層マンションも水害により日常生活に支障をきたしたようで、まさかの事態だったのではないでしょうか。今後はこのような台風被害が増えるのではないかと言われています。そのための準備を事前にやっておく必要が、日本中どこの地域でもあるのではないかと思います。      


 「備え」ということでいえば、小児医療の現場だとやはりワクチンということになろうかと思います。2ヶ月前のコラムにも書きましたが、当院周辺での百日咳の流行がなかなか収まりません。恐らく受診や検査をしていない人がかなり多いので、今診断がついているお子さんは氷山の一角だと思われます。医者の側にもそうだと疑って検査をしなければ、「かぜ」ということで終わってしまいます。罹患しないように年長児で3種混合ワクチンを接種し、また6年生でも2種混合ではなく3種混合を接種すべきなのですが、年長児は任意接種ということもあって、なかなか進まないのが日本の現状です。こういうところがワクチン後進国たる所以です。    


 また以前にも書きましたが、子宮頸がんについても同じく備えが必要です。予防にはワクチン接種が有効ですが、当然ワクチンだけではなく検診も重要になってきます。残念ながらこの数年間は接種する人がほとんどいませんでしたので、この子たちが成人を過ぎた頃から子宮頸がんの発生頻度が海外に比べて明らかに高くなるのではないかというのが懸念されています。当院でも積極的に接種を勧めていることもあり、接種する方はかなり増加しています。もちろん、それで痙攣をはじめとする副反応のような症状が出た方は一人もいません。当然のことながら、副反応ではと言われているのは紛れ込みの反応であって、安全なワクチンだというのが証明されています。そうでなければ、海外でも接種することはないと思います。WHOも日本は接種をおこなっていくべきという声明をだしています。もちろん、我が家の娘2人も数年前に接種しましたが当然何も起きてはいません。    


 自然災害にしろ、病気にしても万一に備えてあらかじめ準備を行っておくというのは非常に大事だというのが、熊本地震で思い知らされました。今回の台風被害に遭われた方のインタビュー聞いていても、「まさか自分のところが」とか「ここまで酷くなるとは」と言われている方が多かったように思います。百日咳に罹ったお子さんの保護者の方も、最初は「まさか自分の子どもが」となっていらっしゃる方がほとんどです。ワクチンやっているから大丈夫と思われている方も少なくないようです。万一に備えて準備することの重要性を改めて感じました。しまったと思う前に早めの行動に移しましょう。      



【令和元年 11月】
よしもと小児科 吉本寿美

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