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第120話 子どもは病気をするものです

小児科医のつぶやき|第120話 子どもは病気をするものです

 新しい年度が始まりました。入園、入学など新しい生活が始まった方も多いのではないでしょうか。期待半分、不安半分ではありますが、入園後最初は泣きじゃくってしまうお子さんもいらっしゃいます。保護者の皆さんもその姿を見ると辛いとは思いますが、親離れ、子離れの第一歩と思えばいいのです。いつかはお互いが乗り越えなくてはいけない試練なので。我が家の一番下は小さかったためか、泣くこともなくバイバイしていましたので、それはそれで寂しかった思い出があります。    


 で、当然のことながら集団生活が始まると、嘘のように病気します。発熱することは、月に数回は覚悟が必要です。嘔吐下痢をもらってしまうこともよくあります。アデノやRSなどの流行りの病気に罹患することも少なくはありません。特に咳や鼻水は薬を飲んでも治るというのはほとんど期待出来ません。園からは「病院に行って早く治してください」とほとんどの保護者の方が言われていると思います。「薬飲んでも全く治りません」という訴えがありますので、その時は「登園しなければ治りますよ」と説明しています。まずもって、咳や鼻水で休むお子さんはいませんし、そんなことで休まれたら仕事になったものじゃありません。


 となると、鼻水が止まらないから耳鼻科を受診するというのが日本ではお決まりのパターンのようです。そこで不要な抗生剤や気管支拡張剤などたくさんの薬をもらって安心して帰宅されるケースも少なくはありません。でも、子どもの病気は大半がウイルス感染症なので、抗生剤は必要ありませんし、気管支拡張剤も咳止めではありませんので効果なし。中耳炎も最初から抗生剤を飲むということはせず、数日経過を見てから抗生剤を飲むかどうか判断するというのがガイドラインにも記載されています。咳はしなくては悪くなりますので、咳止めという薬を処方することはありません。当然夜間の咳は酷いという訴えが多いのですが、それは後鼻漏という現象で鼻水が口の方に流れてしまうために起こる現象です。抱っこをするとか、うつぶせで寝れば軽減します。耳鼻科を受診するなと言っているわけではなく、子どもさんの場合は最初に小児科を受診して、必要があれば耳鼻科を紹介してもらうというのがベストだと思います。


 4月に入るとあまりにも頻回に病気をするので、悪い病気じゃないですかと心配される保護者の方も増えてきます。先月も書きましたが、そうそう悪い病気になることはありません。どうでしょうか、1年もすればかなり病気にかからなくなります。そこまでの辛抱とは思いますが、1年は確かに長いかもしれませんね。これは早く入園しても遅く入園しても同じことで、必ずみんなが通る道なのです。小学生になれば、かなり病気をしなくなるのでそれ以降は小児科を受診することも少なくなります。    


 何でもかんでも受診したら薬が必要というわけではありません。薬を出さないと、「だから悪くなった」とか「あそこは抗生剤を出してくれるから早く治る」とかで、薬をたくさん出されるクリニックに患者が集中する。それでいいのだろうかといつも自問自答していますが、やっと少しずつですが「抗生剤を出さない」ということが評価され始めました。ただし、誤解のないようにいいますが、何でもかんでも抗生剤を出さないというわけではなく、必要な場合には処方します。その為に、今後も検査が多くなることもあるかと思いますのでご了承ください。


 小さい時には子どもは病気をするものですので、保護者の皆さんは腹をくくってドンと構えて欲しいと思います。そのうち、病気なんかしなくなりますし、本当に薬(特に抗生剤)が必要な病気なんて、ほとんどないというのがわかると思います。「また、あいつはこんなことを言っている」と他の先生から批判を受けるかなとも思いますが、いつか僕のやっていることが間違ってはいないという日が来ることを願っています。



【2018年 4 月】
よしもと小児科 吉本寿美

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