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第135話 小児科医の働き方改革

小児科医のつぶやき|第135話 小児科医の働き方改革

 昨今、いろいろなところで働き方改革の話題が取り上げられています。日本人が働きすぎだというのは、以前から言われていることでした。勤勉といえばそうなのですが、休み方を知らないというのが本当なのかもしれません。また有給を消費することも上手ではないため、今度から1年に5日以上有給を取らなければいけないという法律が公布されました。たった5日ですが、それさえも消化していない人が多くいるというのには、びっくりしました。だた、取らないのではなくて、取ることが実際問題として出来ない状況にあるという方が多いというのも事実で、特に中小企業で働く方はそうなのかもしれません。


 当然、医療業界についても働き方改革の論議が既に始まっています。特に大きな病院では、医師が当直の翌日は休みにするという勤務をするところも出てきたようです。友人が働いている埼玉のこども病院では、現にそのような体制になってきているそうです。我々が研修医の頃は、当直してもそのまま働くというのが当たり前でした。それがいい悪いは別にして、今考えてみるとよくもまあやれたものだと思います。ただ、自分らより年配の先生方も当たり前のように当直明けでも普通に勤務をされていましたので、疑問に思うことはありませんでした。  


 ただ、やはりそのような場合には一人が休んでしまうと、他にしわ寄せがきてしまい大変な状況になってしまう恐れがあります。なので、これからは多くの人数で診療をおこなって、みんなでカバーするというスタイルがいいように思います。そうすればミスも少なくなるでしょうし、疲弊してしまうことも減ってくるでしょう。そのためには、たくさんの人に小児科医になってもらわなくてはいけませんが、幸い熊本は小児科医の希望者も多いようですので、しばらくは今の体制を維持できるのではないかと思います。


 では、我々のようなクリニックはどうかといえば、なかなかそういうわけにもいかないというのが現状です。自分を例にしてみると、通常の診療以外にも、昼休みに検診に出向くこともありますし、看護学校の講義もありますし、週末には日赤や地域医療センターの当番も回ってきます。水曜日の午後もクリニックは閉めていますが、産婦人科で検診業務を行っています。バタバタでご飯抜きというのは珍しいことではありませんし、5分で食べ終わるというテクニックもいつのまにか身についてしまいました。当然、こういう働き方は明らかに労働基準法に照らし合わせれば違反していると思いますが、ではこれを改善できるかといわれたらそれは無理です。昼休みをきちんと取って、診療を休んでその代わりに健診や講義に行けばいいのはわかっていますが、患者さんに迷惑がかかってしまうため、それは現実的には難しいようです。ただ、このような勤務形態は他の小児科の先生もやっていることで、珍しいことではありません。文句も言わずに働く小児科の先生は、本当に偉いな〜と思います。  


 今後いろいろな議論がなされていくと思いますが、人が増えない限りは小児科医の働き方も変わることはないと思います。苦しむお子さんを目の前にして、「はい、時間になりましたからこれで失礼します」とは言えないでしょう。それをやるのであれば、医者になるべきではないと思います。医者、特に小児科医になった以上は、ある程度自分の時間がなくなるのは覚悟をする必要があるでしょう。それでも何者にも変えがたい「こども達の笑顔」というご褒美が待っているので、やっていけるのだと思っています。小児科医のみなさん、働き方改革とは無縁の世界ですが、これからも頑張りましょう。



【令和元年 7月】
よしもと小児科 吉本寿美

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