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第33話 さて、今年は?

小児科医のつぶやき|第33話 さて、今年は?

あけましておめでとうございます。

 今年もどうぞよろしくお願いいたします。

さて、今年はどのようなことが待っているのでしょうか。新年になると、例年の事ながらインフルエンザの流行が予想されています。既に昨年末からちらほら話は聞いていますが、今年は昨年とは違ってA香港型が流行しているようです。そろそろ新型という呼び名も変わるような話も聞きました。以外と新型の方が軽症だったようにも感じましたが、果たして今季はどうなるのでしょうか。


インフルエンザといえば、今季から吸入の「イナビル」という薬が使えるようになりました。吸入ですので、あまり小さいお子さんには使用出来ませんが、この抗ウイルス剤の特徴は「1回吸入を1日のみ」で治療が終了するということです。今までの吸入リレンザが5日間吸入という点を考えれば、非常にありがたいことですね。それと、小児では若干難しいのですが、点滴の治療薬も発売されました。今まではタミフルが主流であった治療法も選択肢が広がってきました。


そして、今年最大の目玉はHib、肺炎球菌、子宮けい癌ワクチンの一部補助が始まる事です(無料になるかどうかは、自治体などで変わってくるそうです)。但し、Hib、肺炎球菌は4歳以下、子宮けい癌に至っては中1から高1までという縛りがあり、まだ定期接種にはなっていません。もうしばらく定期化には時間が必要なのかもですね。しかも、中1から高1という年代は部活や塾で忙しいので、どこまで子宮けい癌ワクチンの接種率が上がるか心配な点もありますが、現在よりも確実に接種する人数が増えるのは間違いないと思います。それに伴ってワクチン不足の状況にならなければいいのですが。こればかりは始まってみないとわかりません。


当院の今年の予定は、4月から診察室での電子カルテの導入を考えております。導入時期は前後する可能性がありますが、受付で先行して導入した際には混乱し待ち時間も長くなったようです。診察室での導入後もしばらくは慣れないので、スムーズにいかないところもあるかと思いますが、慣れてくると会計までの時間も早くなると思いますので、どうぞしばらくの間はご協力をお願いします。


今年もこれまで通り、「発熱だけで抗生剤を処方しない」というのを基本理念に、よりよい医療を提供したいと思います。「人の振り見て」ではないですが、今でも不必要な抗生剤の処方をされているケースが多いように感じます。薬を出すだけではなく、なぜこの薬が必要なのかなども少しずつ説明していくのも大事な仕事ではないかと思います。親しみやすい小児科であり続けるべく、職員一同今年も頑張っていきますので、今年1年皆様のご理解とご協力をお願いします。


【2011年1月】
よしもと小児科 吉本寿美

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