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第148話 それでも前へ

小児科医のつぶやき|第148話 それでも前へ

 またしても熊本が豪雨という自然災害に見舞われました。仕方ないと言ってしまえばそれまでではありますが、熊本地震からやっと復興してきたところに豪雨災害。どうして熊本だけ痛めつけられるのだと思ってしまいますが、これまで災害に遭われた地域の皆さんもそんな思いだったのではないでしょうか。関西や東北の大地震の時には、熊本の人にとって地震は他人事でしたから。それが我が身に降りかかると、事の重大さに気付かされます。今回の豪雨災害もまさかでした        


 「困難は乗り越えることが出来るところにしかやって来ない」と言いますが、やはり今回の災害は乗り越えることが非常に厳しい状況のようです。コロナの影響でボランティアを県内限定でしか募集できないのは大きな痛手です。多くのS N Sを見ていますと、足りないのは物資というより人手のようです。地震の時とやや異なり、ライフラインの確保というのは一部の地域を除けばある程度確保は出来ているようです。人手も徐々に増えてはいるようですが、球磨村をはじめ八代の坂本や阿蘇の杖立温泉も相当な被害が出ているのに、報道に偏りがあってまだまだ足りないものが多いようです。これからは熊本県民一丸となって乗り越えていかなくてはいけない状況のようです。      


 ただ、聞いたところでは人吉球磨地域の方は氾濫した球磨川を悪くいう人はほとんどいないそうです。昔から共存共栄してきたからだとのことです。確かに球磨川はこの地域の大きな観光資源であったでしょうし、清流のおかげでお酒や美味しい食べ物を口にすることが出来たのも事実です。これまでも幾度となく氾濫して人々を困らせた急流ではありますが、今回のような事態は想像出来なかったのだと思います。多くの人命が犠牲になったのは、短時間に予想を遥かに超える雨が降ったからだと思います。犠牲になられた方に対して改めてご冥福をお祈りいたします。  


 予想外の事態といえば、コロナウイルス感染症の流行というのも同じだと思います。1年前には誰も予想さえしなかったことが、現実に目の前で起きています。普段の生活、学校生活、イベント、スポーツ、娯楽、旅行、食事などありとあらゆるものが変わってしましました。これからどうなっていくのか、自分も含め不安な方も多いと思います。自分もこの先どうなるのか考えてしまいますが、やる事は決まっていますのでそれを粛々とやっていくしかないかなと思います。コロナに対するワクチン、治療薬が出来てきたら少しは皆さんも安心出来るのではないかと思いますが、ただ忘れて欲しくないのは他にも病気はあるわけですから、その他の病気の対策も疎かにすることは出来ません。これ以上、他の病気が流行ってしまえばどうしようもなくなってきますので。そのために、小さいお子さんは予防接種で病気を予防して欲しいと思います。ワクチン接種の自粛だけは避けて欲しいですね。    


 起きてしまった事実を変えることは出来ません。しかし、未来を変えていくことは不可能ではないと思います。阿蘇はこの秋にも鉄道や道路が開通して、少しずつ以前の賑わいを取り戻すと期待されています。一方、人吉や球磨地方は道路や鉄道が寸断され、地震の時よりも時間や費用がかかるような印象もあります。それでも一歩一歩前に進んでいかなくてはなりません。長い時間がかかるとは思いますが、熊本に笑顔が戻るまでみんなで前を向いて頑張っていきましょう。

がんばるばい熊本。



【令和2年8月】
よしもと小児科 吉本寿美

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